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2024/03/28 18:08 |
日本における死刑
死刑が執行されるまでの間、死刑囚は拘置所に拘禁される。拘置所により若干異なるが、死刑囚は執行までの間、便器・流し台・机・寝具等が収納された3畳ほどの居房の中で脱走・自殺防止用のカメラに24時間監視されながら生活をする。居房の窓と鉄格子の間は小さな穴の開いた金属板で覆われるため外の景色はほとんど見えず、通気性も大変悪く、ほとんどの拘置所には冷暖房も無い。

起床は午前7時、就寝は午後9時だが、カメラで監視を行うため、明かりを暗くして消灯は行わない。運動、入浴は週2回程度。但し最近は、拘置所側が規定を拡大解釈することによって、これより多い場合もあるらしい。

執行までの期間
刑事訴訟法の第475条では、死刑は判決確定後、法務大臣の命令により6ヶ月以内に執行することが定められているが、再審の請求や恩赦の出願等の期間はこれに含めないことも定められており、死刑確定から執行までほとんどが数年から数十年もの間、平均では7年程度を要するのが実際である。異例の早さで死刑が執行されたといわれる池田小児童殺傷事件の死刑囚でさえ、確定してから約1年の時間を要している。

また、在任中に信条、宗教上の理由などで執行命令書の署名を行わなかった法務大臣もいる。2005年10月31日に就任した法務大臣・杉浦正健は就任時に「(死刑執行命令書に)私はサインしない」と異例の発言を行い、一時間後に撤回している。

精神の異常を疑われたまま死刑判決を受けた者や、冤罪が疑われながら死刑判決を受けた者については、さらに執行が避けられる傾向にあり(執行された例もある)、外部交通が制限されるなか、長年にわたり何度も再審請求を繰り返して無罪を勝ち取った元死刑囚も多数存在している。

執行までの手続き
死刑判決が確定すると、判決謄本と公判記録は当該受刑者の死刑を求刑した検察庁に送られる。高等検察庁の検事長、あるいは地方検察庁の検事正は、これらの書類を基に、死刑囚に関する上申書を作成し法務大臣に提出する。上申書は、法務省刑事局に回される。同時に検察庁から法務省刑事局に裁判の確定記録が運ばれる。刑事局総務課は資料が全て揃っている事を確認し、刑事局担当の検事が記録を審査する。通常、死刑該当犯罪の場合、その裁判資料は膨大なものであるから審査には時間がかかる。特に、刑の執行を停止しなければならない件、非常上告の有無の件、再審の件、恩赦に相当するかどうかの件は慎重に確認される。審査の結果、死刑執行に問題がないと判断されると、検事は死刑執行起案書を作成する。死刑執行起案書は刑事局、矯正局、保護局の決裁を受け、これらの決裁の確認の後、死刑執行命令書として大臣官房へ送られる。ここまで、膨大な資料の確認と決裁のため、相当な時間がかかるが、この間に死刑囚が妊娠した場合や、精神に異常をきたした場合は、書類は刑事局に戻される。


死刑執行命令書は官房長の決裁を経て、法務大臣の下へ届く。本来であれば法務事務次官の決裁が必要だが、法務大臣と法務省の事務方代表である法務事務次官の決裁が食い違っては、政治的問題になるので、法務事務次官の決裁は、法務大臣の決裁を経た案件だけに行われる。


法務大臣の署名が行われない限り、死刑執行は不可能である。大半の法務大臣は署名を嫌がる。「これから死刑執行命令書のサインを行うので写真を撮ってくれ」と、数珠を片手に、赤鉛筆(命令書の署名は必ず赤鉛筆を使用する)を片手にポーズを構えた大臣が居たが、あまりの悪趣味に記者クラブの記者らに呆れられた。裁判資料を持ち込み悩みながら熟読し判断を下した大臣も居た。大臣の性格により様々であるが、法務省当局としては「死刑無し」の前例を出来る限り作らないように、大臣の任期終了前には相当な催促が行われると言う。ただし主義主張に無関係もしくは不明ながら任期が短い等の経緯により、結果として在任中死刑執行を一人も行わなかった法務大臣も、もちろん戦後複数存在する。

法務大臣が赤鉛筆で行なわれたと思われる署名、押印して執行命令書が作成されると、拘置所長に届けられ、5日以内に死刑が執行される。監獄法第71条2項の規定により、大祭祝日(国民の祝日)、土曜日、日曜日、12月31日・1月1日(元日)・1月2日には死刑の執行は行われない。

執行予定日は、死刑囚やその家族・マスコミ・被害者の家族等、外部には一切知らされない。過去においては当該死刑囚に前日または前々日に執行の予定を告げ、死刑囚の希望する食事を出来る限りの範囲で与え、特別の入浴を許可し、同囚や宗教教誨師や担当刑務官らを交え「お別れ会」を行う事も有った。現在では、死刑囚には当日の朝に執行を告げられ、午前中に執行されるというのが近年の傾向である。この告知方法については、毎朝、執行が予定されていない日においても死刑囚に不要な恐怖を与えて残虐であると内外から批判が強い。また、防御権の行使・遺言の伝達・家族間の別れの挨拶等を行うことも不可能になるため、死刑廃止国から強く批判されている。死刑存置国から正式にこれについて抗議は無い。なぜ無くなったかといえば、死刑通告を処刑をする前に通達すると、自殺されたり、または執行官が病気など理由をつけて休むことが多かったからである。

死刑執行の日、死刑囚の房には死刑囚の抵抗に備え、特別警備隊と呼ばれる、頑強な刑務官で構成された一隊が送られ、保安課長より死刑囚にこれから死刑を執行する旨が伝えられる。時間は午前九時から十一時の間が通常と言われている。淡々と従う者、抵抗を試みる者、恐怖で茫然自失となる者、反応は様々である。ここでは遺書を書く時間や、房や荷物を整理する時間は全く与えられず、即座に特別警備隊により刑場へ送られる。

死刑場には、手前の部屋に祭壇、奥の部屋に処刑場が設置されている。(白いカーテンにより区切られているという)死刑には拘置所長、立会検事、検察事務官、保安課長、教育課長、医官2名、刑務官5名以上、宗教教誨師が立ち会う。祭壇は回転式になっており、死刑囚の信仰する宗教に応じて、仏教、キリスト教、神道の祭壇を選ぶことが出来る。無宗教も選択できる。拘置所長による死刑執行指揮書の読み上げが行われる。宗教教誨師が最後の説教・説法を行う。その後、死刑囚は拘置所長や刑務官らと別れの挨拶を行うのが一般的である。死刑囚を落ち着かせるために拘置所長・教育課長・宗教教誨師が講話を行う。祭壇には供え物の生菓子が置かれており、教育課長から最後の飲食をすすめられる。拘置所長が死刑囚に最期に言い残したいことは無いか尋ねる。遺言が有れば遺言を残すことが出来るが、時間は限られている。一通り終わると死刑囚は処刑場へ誘導される。(宗教教誨師が仏教系の場合、処刑までの間、読経が行われるという)刑務官らにより目隠しと、腕の拘束、足の拘束が迅速に行われ、首にロープがかけられ(ロープの首に当たる部分は革で覆われている)、長さが調節される。拘置所長の合図により、刑務官らにより同時に5つのボタンが押される。(これは刑務官の精神的苦痛に配慮した仕組みである)床板が開き死刑囚は落下する。なおこの手順は死刑囚が従順な場合であり、激しく抵抗する者などは前記の儀式など行えるはずもなく、刑務官らの力により処刑場に引き立て処刑という事になる。概ね日本の死刑囚は、取り乱すことなく淡々と死に臨むと言われているが、後述するように死刑執行の様子は一切公表されることがなく、立ち会う者も拘置所所長、刑務官、検察官など行政府に属する者に限定されているため、実際のところは不明であるがゆえに、関係者の匿名の証言に情報を頼らざるをえない状況である。


死刑は絞首により行われると定められているが、実際は縊首である。死刑囚は、落下した後数分から十数分、長くて20分以内には絶命するとされている。死刑囚の中には、脱糞や射精をしている者もいるという。日本では死刑囚に対し、死刑執行による痛みを感じさせることなく即死させる絞首刑の技術があるとされている。これは処刑台の床板が外れることで死刑囚が落下し、その衝撃で延髄損傷・頸骨骨折が起き、死刑囚は意識を失うとの立場からの説である。落下した死刑囚は糞尿を垂れ流し激しく痙攣するので、係の刑務官が取り押さえる。「10分経っても絶命しなければ釈放される」などの都市伝説があるが、落下後、念を入れて医官が血管内に空気や毒物などを注入した例もあり全くのデタラメである。


立ち会った医官により死刑囚の死亡が確認される、法律の規定により死亡が確認されてから5分間死体はそのままの状態で置かれる。検察官と執行施設の長により死刑執行始末書に押印・署名されて事件に関するすべてが終わる。立会人らには酒が振る舞われるという。執行に関わった刑務官らには死刑執行手当2万円が支給され(振り込みであると、刑務官は家族に死刑について気付かれるため、それを避けるよう手渡しで支給される)、午前の内にその日の仕事は終業とされ帰宅が許される。精神的苦痛と心労により、そのまま飲みに出かけ死刑執行手当を使い切る刑務官が多いという。死刑囚の遺体は、あらかじめ決めてあった引き受け先と24時間以内に連絡が取れれば引き取って葬儀をすることが可能であるが、実際に引き取られた死刑囚の遺体は少ない。連絡が取れない場合や引き受け先が無い場合は火葬後、無縁仏として合葬される。


日本の死刑の特徴の一つとして、徹底した密行主義が挙げられる。マスコミや被害者の家族等を死刑の執行に立ち合わせることは無い。死刑の執行予定が公表されないことは上述したが、執行後も死刑囚の氏名や罪状等、多くの情報が公表されない。最近、国会議員に刑場見学が許可されるまでは、国会議員や学者による要請であっても刑場の見学等は一律に許可されていなかった。死刑囚の最期の様子が伝えられることは無く、日記などの遺品の内の何種類かは死刑囚の家族にも返還されない。


近年の傾向として執行日が国会閉会中の木・金曜日に偏っていることが言われる。連続した平日に5日かけて執行準備が行えるという理由のほかに、国会での追及を避けること、続く休日にあえて執行を取り上げて追及するマスコミが少ないことも理由になっているはずだという批判が存在する。さらに近年は法務大臣の辞任間際に死刑執行命令がなされる傾向がある。また、凶悪事件が起きた直後にも執行されることも多い。これは、最も死刑に賛成する世論の強い時期に執行することにより批判をかわせること、および凶悪犯罪の結果は悲惨な死であるということを国民に知らしめる一般予防効果を狙うことが理由であろう。


以前は凶悪犯罪に対しすぐに死刑になる判例が多く、身代金を目的とした幼児の誘拐・殺人事件などはすぐに死刑になるケースが多かった。だが、最近では複数名の人間を殺害した被疑者に対してでないと死刑判決が出るケースが少ない。少年事犯に対する判決はかなり慎重である。また、裁判のなかで被疑者が反省の弁を述べなかったり、犯罪の共謀者と罪の擦り付け合いをしている場合も死刑判決が出るケースが多い。保険金目的の殺人など営利目的の殺人に対しても厳しい判決が下されるケースが多い。また無期懲役刑を受けた被疑者が仮出所後に殺人を行った場合も死刑判決を受けるケースが多い。(この場合、仮出所の判断に対して批難が起きる事がある)
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2007/09/26 21:54 | 未分類

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