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2024/04/29 15:56 |
チョウ、アサギマダラ
成虫の前翅長は5cm-6cmほど。翅の内側が白っぽく、黒い翅脈が走る。この白っぽい部分は厳密には半透明の水色で、鱗粉が少ない。和名にある「浅葱」とは青緑色の古称で、この部分の色に由来する。翅の外側は前翅は黒、後翅は褐色で、ここにも半透明水色の斑点が並ぶ。

オスとメスの区別はつけにくいが、オスは腹部先端にフェロモンを分泌するヘアペンシルという器官を持ち、さらに後翅の腹部先端付近に黒い斑点がある。これはほとんどのマダラチョウ類に共通する特徴である。

日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布する。分布域の中でいくつかの亜種に分かれていて、このうち日本に分布するのは亜種 P. s. niphonica とされる。

標高の高い山地に多く生息する。九州以北で成虫が見られるのは5月から10月くらいまでだが、南西諸島では逆に秋から冬にかけて見られる。

あまり羽ばたかずにふわふわと滑空するように飛ぶ。夏から秋にかけてはフジバカマ、ヒヨドリバナ、アザミなどのキク科植物の花によく集まり、吸蜜する姿が見られる。

幼虫はガガイモ科のカモメヅル、キジョラン、フヨウランなどを食草とし、卵も食草の上に産みつけられる。幼虫は黒の地に黄色の斑点が4列に並び、その周囲に白い斑点がたくさんある。また、前胸部と尾部に2本の黒い角をもつ。蛹は垂蛹型で、尾部だけで逆さ吊りになる。蛹は青緑色で、金属光沢のある黒い斑点がある。

幼虫の食草となるガガイモ科植物はどれも毒性の強いアルカロイドを含む。また、成虫がよく吸蜜するヒヨドリバナやフジバカマも、蜜にアルカロイドを含む。アサギマダラはこれらのアルカロイドを取りこむことで毒化し、敵から身を守っている。アサギマダラは幼虫・蛹・成虫とどれも鮮やかな体色をしているが、これは毒を持っていることを敵に知らせる警戒色と考えられている。

インド北部から東南アジア、インドネシアにかけて分布するアゲハチョウ科のカバシタアゲハ Chilasa agestorは、翅の模様がアサギマダラによく似ている。これは毒を持つアサギマダラに擬態(ベイツ擬態)することで、敵に食べられないよう身を守っているものと考えられる。

アサギマダラの成虫は1年のうちに、日本本土と南西諸島、台湾の間を往復していることが知られている。ただし北上する個体と南下する個体は子孫の関係で、同じ個体が移動する渡り鳥の移動とは異なる。

移動の研究は、捕獲した成虫の翅の半透明部分に捕獲場所・年月日・連絡先などをマジックインキで記入(マーキング)、放蝶するという方法で個体識別を行う。このマーキングされた個体が再び捕獲された場所・日時によって、何日で何km移動したかが分かる。

研究者達によって、夏に日本本土で発生したアサギマダラは秋になると南西諸島や台湾まで南下、繁殖した子孫が春に北上し、日本本土に再び現れるという行動が明らかになった。中には直線距離で1500km以上移動した個体や、1日あたり200km以上の速さで移動した個体もある。
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2007/09/09 21:15 | 未分類

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