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2024/04/24 18:11 |
心理学上のコンプレックス
この語を、最初に心理学に持ち込んだのはヨーゼフ・ブロイアーであるらしい。しかし、この語を有名にしたのはユングである。ユングの定義によれば、コンプレックスとは、何らかの感情によって統合されている心的内容の集まりである。ある事柄と、本来無関係な感情とが結合された状態であり、これを「心的複合体」とも訳す。

日本では、早くから西欧医学の導入と共に、フロイトの精神分析もまた心理学・精神医学上の学説として入って来ていた。フロイトの精神分析においては、「エディプス複合(エディプス・コンプレックス)」が中心的な位置を占めていたが、元々西欧人の意識・無意識の動力学理論でもあった精神分析は、日本人の心理には余り適合しなかった。
戦後、アメリカより、アードラーの「人格心理学」が日本に入ってきたが、アードラーの理論は、「劣等複合(inferiority complex)」を理論の中心に置いており、劣等複合の克服を通じて、人格の発達が成立するとしたアードラーのこの理論は、日本人には親しみのある内容であった。そのため、戦後、日本においては、フロイトの理論よりも、アードラーの理論が流通し、又、その理論の中心概念である「劣等複合」が一般になった。

「劣等複合」とは「劣等コンプレックス」の事であるが、アードラーの理論の一般的な受容と、とりわけ、このコンプレックスが日本において流布したため、コンプレックスの名で、「劣等複合」を指すような日常の用語法が生まれた。日本においては、現在でも、なお、「コンプレックス」と言えば、暗黙に「劣等コンプレックス」の事を指す傾向があり、更に、精神分析の用語から離れて、「コンプレックス」を「劣等感」の同義語とするような誤用も生まれ、今に至っている。なお、劣等感とは劣等なものを合理的に認めるものであるため、劣等コンプレックスを克服したものであるとも言える事に注意しなくてはなるまい。

さらに分析心理学上フェティシズムがコンプレックスがほぼ同義であるため、フェティシズムの分野にもコンプレックスという用語が使われる事もある。この場合、正確には「あるフェティシズムから想起されるコンプレックス」の事を意味する。

心理学的コンプレックスからの派生事例
ファザーコンプレックス 子供が父親に抱く愛着
マザーコンプレックス 子供が母親に抱く愛着
エレクトラコンプレックス 娘の母親に対する対抗心
エディプスコンプレックス 息子の父親に対する対抗心
阿闍世コンプレックス 母親と子供の心理葛藤
アグリッピーナコンプレックス 母親の密着に対する息子の嫌悪
ブラザーコンプレックス 兄弟に対する愛着
シスターコンプレックス 姉妹に対する愛着
カインコンプレックス 兄弟姉妹間の親の愛をめぐる葛藤
ロリータ・コンプレックス 少女に対する愛着(特に12~15歳を指す場合も)
アリスコンプレックス 少女に対する愛着(7~12歳)
ハイジコンプレックス 少女に対する愛着(3~7歳)
ベビーコンプレックス 幼児(0~3歳)に対する愛着
アブラハムコンプレックス 父親の息子に対する憎悪
シンデレラコンプレックス 女性の高い男性志向
白雪姫コンプレックス 被虐待児症候群及び母親の娘に対する憎悪
正太郎コンプレックス 少年に対する愛着
二次元コンプレックス 二次元キャラに対する愛着
メサイアコンプレックス 強迫的に人を援助する心理
ユディットコンプレックス 汚されたい感情と相手に対する憎しみが重なった女性の二重心理
ダイアナコンプレックス 男性には負けたくないという女性心理
カメリアコンプレックス 不幸な女性を救おうとする男性の心理
スペクタキュラコンプレックス 性嗜好が行動を規律する心理
ピグマリオンコンプレックス 人形に対する愛着
オレステスコンプレックス 父親から母親を取り戻そうとする息子の心理
ダフネコンプレックス 処女の男性嫌悪

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2007/08/27 13:02 | 未分類

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