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2024/05/17 10:50 |
ボディビルと薬物
ボディビルディングと薬物とのかかわりは古く、他のスポーツに先駆けて既に40年以上前の時点で薬物の洗礼を受けたと言われる。結果として、ボディビルを良く知らない者が筋肉隆々のボディービルダーを見ると、その発達した肉体に驚嘆しつつも、ボディービルダーは誰も彼もが『薬物を使用(ドーピング)してる』という誤ったイメージを持つようになってしまった。具体的に「薬物」が何を指すのか、どこで手に入るのか、どういった類のものなのか、ということを知らないまま、薬物の使用に対して悪く言う人も少なくない。極端な例を挙げるなら、ボディビルダーがよく摂取する単なる栄養補助食品(サプリメント)にすぎないプロテインの粉末やアミノ酸の錠剤等を、薬物と混同してしまっている者もかなり存在する。

現代では、ボディービルダーの『二極分化』が進んでいると言われ、一方では何の制限も無く薬物を使用し怪物のような肉体を作り上げ、その異常なまでに発達した筋肉で人々の注目を集めるタイプのボディービルダー(IFBBミスターオリンピア等)が存在し、もう一方ではいっさい薬物を使用する事無く、自然なサプリメント摂取と地道なトレーニングを積み重ね、ナチュラルである事にこだわり続けるタイプのボディビルダーが存在する。後者を『ナチュラルビルダー』と呼ぶ事もある。

通常、この両者は同じコンテストに出場する事は無く、各々に専用のコンテストが存在し「住み分け」がなされている。ナチュラルビルダーが出場するコンテストにおいては、一般的に(ナチュラルである事を標榜していても、ローカルなコンテストでは、予算の関係で検査ができない事もある)厳重な薬物検査が実施され、違反者は即失格となる。中には、薬物を使用していながら、使用していないと偽ってナチュラルビルダーのコンテスト(筋肉の大きさだけを問うのであれば、ナチュラルの方がレベルが低い)に出場する者もいるため、検査項目にポリグラフ(嘘発見器)を使用しているコンテストもある。

薬物使用ビルダーが、薬物大量摂取による後遺症で健康を損ねたり、あるいはそれが原因で死亡する事が問題となり、それまで公然の秘密とされていたボディビルの薬物汚染に批判が集まり、検査が実施されるに至った。しかし、コンテストにおけるボディビルダーを「健康美」の対象としてではなく、「見世物」と考える観客も多く、そういった人々は怪物のような肉体を見る事のみを望み、ボディビルダーの健康には関心が無かった。入賞者に賞金の出る「プロボディビルダー」の大会では、興行のためにそういった観客の「需要」を無視する事ができず、薬物検査をせず、暗に薬物使用を認める事になった。一旦は薬物検査を実施しておきながら、その結果コンテストが不人気となってしまい、慌てて薬物検査を取りやめたプロの大会も存在する。

以前までは、『薬物使用可=プロのコンテスト』『薬物使用不可=アマチュアのコンテスト』という公式があったが、薬物検査を欺く技術が発達したため、現在ではアマチュアコンテスト出場者であってもナチュラルビルダーとは言えず、単に『プロライセンスを持たない者のコンテスト』という意味になりつつある。また、最近の健康志向の風潮からナチュラルビルダーに対する評価が上がり、『プロのナチュラルビルダー』というカテゴリーも存在するようになった。

薬物使用(ドーピング)を如何ほどまで許容すべきか、と言う論争は、ボディービルディングに限らず、多くの競技スポーツの間で共通して見受けられる問題である。多少は許容すべきという意見があれば、一切廃すべきという意見もあり、難しい問題として残る。

また、薬物を使えば、誰でも簡単に筋骨隆々になれるというわけではない。薬物を使用しようがしまいが、ハードなトレーニングを実施しない限り筋肉は発達しない。
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2007/09/26 13:20 | 未分類

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