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2024/04/19 12:28 |
ホンダ・アコード
アコード誕生には多くの紆余曲折があり、幾多の会議の結果、1600cc2BOXというコンセプトに決定したが、その決定の背後には頓挫した大きな計画が影を落としていた。それがクラウン、セドリッククラスに投入する2000ccストレート6 CVCCを搭載したアッパーミドルカー開発計画の「653計画」である。当時、シビックの大成功で息を吹き返したホンダは、当時のコロナ、ブルーバード(現在のプレミオやアリオン、ブルーバードシルフィに相当する)クラスではなく、シビックよりも遥か上の高級乗用車の開発を行っていた。いくらシビックがヒットしていたとはいえ、まだ乗用車市場にしっかりとした根を張っていなかった中で、突如、大きいクラスへ挑戦しようとしていたところは如何にもホンダらしいアプローチといえる。だが、最終的にはシビックで自動車マーケットを戦い始めたばかりだったことが、不幸にもこの653の命運を決めてしまうことになったのだが、このクルマで培った経験と技術は、後のホンダ車にも引き継がれ、特にこの計画の受け皿になったアコード計画にとっては最も貴重な捨石となった。

ボディは4ドアで、スタイルはシビックに採用されたハッチゲートを持たず独立したトランクを設けた台形デザインを採用。特に、丸型4灯を持つフロントマスクの表情や、リアピラーを強く傾斜させたシルエットなど、後にこの計画の中止後に開発する初代アコードとの近似性が感じられるものだった。そのエクステリア・デザインを担当したのは、本田技術研究所の専務取締役を勤め、初代シビックをはじめ、後に初代アコードや、初代、2代目のプレリュード、ワンダー・シビック/初代CR-Xのエクステリア・デザインを手がける岩倉信弥(多摩美術大学教授、2004年8月現在)であった。

インテリア・デザインは、初代シビックを始め、初代アコードのインテリア・デザインをも手がけた元ホンダR&Dのエグゼティブチーフエンジニアの大塚紀元である。エンジンは、この頃コスワース移籍を模索し、最終的には残留することを決めた川本信彦が手がけ、一説によると、全長は当時のプリンスG型6気筒よりも12センチもコンパクトで、振動もバランサーシャフトが存在しないなか、ブロックの剛性配分で乗り切り、小型、軽量、静粛を実現していたという。そのような先進的なコンポーネンツの新しさもさることながら、最上級車ゆえに装備面でも当時の最先端技術を採用し、エアコン、パワーステアリング、カットパイルのカーペットの他、現在では当たり前となっているダッシュボードパネルの一体成型技術をものにしていた。

しかし、最終生産試作車を作り終え、金型発注が始まった段階で突如、本社役員会で開発中止の決定が下る。主な理由は、販売網にあった。シビックが大ヒットしていたとはいえ、本格的な販売網を整備していない状況のなかで、高級車を販売するにはあまりにもリスクが大きすぎた。代わりにホンダは、シビックよりもわずかうえの上級車を計画。それによって生まれたクルマが初代アコードとして日の目をみることとなる。ちなみにアコード計画には、653の開発に関わっていたスタッフがほぼ加わり、653で得たノウハウを惜しみなく投入された。

国内モデルは2002年10月10日にフルモデルチェンジ(アコードワゴンは2002年11月28日発売)。搭載エンジンはK20A型・2000ccとK24A型・2400ccの2種類で、ともにi-VTECを搭載し、すべてDOHCとなった。今回から欧州モデルと統合されて生産が日本に集約されている。よってセダンは再び3ナンバーとなった。キーコンセプトは「全身・全域 HONDA イズム」。

変速機はユーロRに6MT、その他のグレードにはSマチック付の5ATが搭載される。また、最近のホンダ車に見られる「鋭い目」はアコードから始まった。なお、安全対策としてドアミラーウインカーが標準装備されている。オプション設定だが、IHCC(インテリジェントハイウェイクルーズコントロール)やLKAS(レーンキープアシストシステム)が装備できる。CMソングは「カルメン」のアレンジ版。

欧州モデルには2200ccのコモンレール式ディーゼルターボが搭載された(※日本での販売予定は無い)。また、イギリスではテレビコマーシャル が話題になり、TBS系列の情報番組サンデーモーニングにも取り上げられた。 なお日欧版アコードは、北米ではホンダの高級車ブランド「アキュラ」において、「アキュラ・TSX」として発売されている。
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2007/09/26 13:30 | 未分類

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