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2024/04/26 04:46 |
長崎カステラの歴史
名前の由来はスペインのカスティーリャ王国(Castilla)のポルトガル発音カステーラ(Castela)と言われている。この原型は、中国の点心の一つであるマーラカオ(マーラーイコウ)、沖縄のちいるんこう(鶏卵)と呼ばれる蒸しカステラ類の始祖でもある可能性が高い。

カステラはオランダ(一時スペイン領になったことがある)から製法を伝えられたためポルトガル語パン・デ・カスティーリャ、カスティーリャ地方のパンの意や中南米似た菓子のビスコーチョが由来とされるものや、カスティーリャ地方に似たお菓子はないためポルトガルの焼菓子であるパォン・デ・ローが製法的に似ていることから、こちらを始祖とする説もあり、日本独特の菓子に発展、創作していったため諸説ある。

室町時代末期にポルトガルの宣教師によって長崎に伝えられたとされる。当初のカステラは卵、小麦粉、砂糖で作ったシンプルなものであり、ヨーロッパの菓子類としては珍しく乳製品を用いない事から日本に残る事ができた。カステラにはオーブンの存在が重要であり、江戸時代まではオーブンに代替する天火の開発が進められた。岐阜県の恵那市岩村町に残るカステラ(松浦軒本店)は、長方形の型に水飴を入れない生地を流し込み、上下から木炭の火で焼いたという(現在はオーブンを使用)。あっさりとしてさっくりとしており、天火が本格的に開発される以前の古い形を残したカステラである。 なお、日本で最初にカステラを食べた有名人は織田信長であるとの説が広まっているが、真偽については定かではない。

松浦軒のカステラの歴史。 岩村藩郷士神谷数右衛門の長男、 名は譲、字は文礼、神谷雲澤(通称雲澤)。 安永二年(一七七三)。 叔父岩村藩医神谷宗元積善の養子となった。 一七才の時名古屋の医師佐枝玄達に入門。 儒学は同じ尾張藩の秦鼎に学んだ。 寛政八年(一七九六)二四才にて長崎へ留学。 ここで通辞小川善之丞について蘭学を修業し、 名村逸諦に西洋外科医学(蘭方)を学んだ。 二六才の時岩村へ帰郷し、医者として開業。 長崎より帰郷するに当り、 長崎カステーラの製法を学び、岩村へ伝えた。 この菓子舗が松浦軒である。 (一八二O)二月一五日四八才にて死去し、富田赤禿山に埋葬された。

主流においては菓子製造の盛んだった江戸・大坂を中心にカステラの日本化と天火の開発が進められ、江戸時代中期には現在の長崎カステラの原型に近い物が作られている。長崎カステラの特徴である水飴の使用は明治以降の西日本で始められたと言われ、これにより現在のしっとりとした触感となった。西日本においては原型のパウンドケーキのようなさっくりとした感触が好まれなかったと見られる。伝来当時、肥前国平戸の松浦家において、南蛮菓子としてカステラが宴会に出された時、その味に馴染めず、包丁方がカステラを砂糖蜜で煮たという逸話もあり、これが上述の「カスドース」の原型になったと伝えられている。

カステラの製法は江戸時代の製菓書・料理書に数多掲載され、茶会でも多く用いられた。その一方で、カステラは卵・小麦粉・砂糖といった栄養分の高い材料の使用から、江戸時代から戦前にかけて結核などの消耗性疾患に対する一種の栄養剤としても用いられていた事もある。こうした事例によって各地に広まり、近代を経て戦後の大量生産によって一般に普及したものと思われる。しかし今なお長崎の街角には多数の自家製カステラ舗が点在し、長崎の風物に彩りを添えている。

主なメーカー
文明堂(ぶんめいどう):カステラで有名な菓子店と言えば真っ先に挙がるのがここである。カンカンダンスを踊る三匹のクマの操り人形のCMで有名になった。
福砂屋(ふくさや・「福」の字は正式には旧字体):1624年(寛永元年)創業。中国でめでたい動物といわれる蝙蝠(コウモリ)を商標とする。長崎本店の他、東京・福岡などにも支店を持つ。知名度では文明堂には劣るが、通の間では福砂屋のカステラは文明堂のそれより評価が高いといわれる。カステラの底の部分にザラメをひいているのが特徴。
松翁軒(しょうおうけん):長崎市。1681年(天和元年)創業。チョコレート味のカステラ(商品名:チョコラーテ)なども扱う。
長崎堂(ながさきどう):本店大阪市中央区心斎橋。1919年(大正8年)創業。ちなみに長崎市内・愛知県にも同名のメーカーがあるが、別会社。愛知の長崎堂は親戚筋が経営していたが、経営不振でポッカコーポレーション傘下になる。
ナガサキヤ(倒産・現存せず):京都市。上述の長崎堂やスーパーの長崎屋との関連はない。

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2007/08/31 13:50 | 日記

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