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2025/04/20 08:51 |
関東地方の珍味、くさや
くさやは新鮮なムロアジやトビウオなどを使用した干物の一種であり、伊豆諸島での生産が非常に盛んである。独特の臭気があり、人によって好き嫌いが大きく分かれる。味は塩辛いがまろやか。「島焼酎」と呼ばれる伊豆諸島産の焼酎やコシの強い(乳酸の多い)日本酒によく合うとされる。塩辛い食品ではあるが、実は塩分はそれほど高くはなく(くさや液の塩分濃度は濃くても10%程度)、近年は体によい食品として関東地方を中心として出荷されている。

くさやを作る場合は、開いた新鮮な魚を「くさや液」(くさや汁とも)と呼ばれる浸け汁に8~20時間ほど浸け込み、よくなじませてから真水で洗浄し、天日に1・2日ほど干す。大抵の場合、その後臭いが漏れないよう真空パックしてから出荷される。現在では、天日ではなく乾燥機などによる強制乾燥も行われる。


歴史
くさやは長い歴史をもつ食品であり、江戸時代には献上品とされていた記録が残っている。正確な原産地は不明だが、伊豆諸島では新島を元祖とする説が有力である。現在も各島で製造されており、特に新島と八丈島で盛んである。

当初は単純な塩水に浸けた魚を干したものであったらしい。当時は塩は年貢として納められるため庶民にとっては高価で、また使用できる水も限られていたので、塩水を使いまわしながら干物を作っていたところ、それに魚の成分などが蓄積し、さらに微生物などが作用することで現在のくさや液のもととなるものができたとされる。


くさや液
くさや液は、代々受け継がれている。塩が足され、現在まで新規で作成されることはほとんどないため、製造業者はこの液を家宝としていることが多い。くさやの匂いや味は島ごとはもちろんだが店ごとにも差がある。「元祖」だけあって、一般的には新島産の物がもっとも匂いが強いと言われている。

茶褐色の粘り気のある液体で魚醤に近い風味をもっていて、酢酸、プロピオン酸などいくつかの有機酸を含む。「くさや」の名のとおり臭みが非常に強く、全く受け付けない人も多い。

また、ビタミン、アミノ酸などが非常に豊富に含まれていて、抗菌作用もある。そのため、体に良いとされており、かつて医療体制の整備が遅れていた伊豆諸島では、怪我をしたり体調を崩すたびに、薬代わりとしてくさや液を患部に塗布したり、飲ませたりしていたという。


調理
通常の干物と同様に調理する。ただし、あまり長い時間火にかけないことが肝要で、みずみずしさが残っている内に食べるのが美味いとされている。焼きたての熱いうちにほぐすと、食べやすい。

焼いた身をほぐしてお茶漬けにしたり、茹でた明日葉とマヨネーズで和え物などにしてもよい。

都心や外国でくさやを焼いていたところ、「死体を焼いている臭いがする」と警察に通報され大騒ぎになったという逸話もある。近所の迷惑にならないように調理する必要がある。

各島の観光みやげとして、また本土の一般のスーパーでも、焼きほぐした上で瓶詰め及び真空パックにしたものが販売されている。こちらは購入後の調理の必要が無く、周囲に遠慮することなくすぐに食べられるため好評である。

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2007/09/24 13:59 | 日記

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