血糖を上昇させる仕組みは複数の系統で支えられているため、破綻することは稀である。逆に降下させる系統はインスリンしかないため、いくつかの原因で破綻もしくは機能不全となることがある。
「糖尿病」という病名上、糖分の取りすぎが原因と思われがちであるが、食事に含まれる糖分はそれほど重要ではなく、暴飲暴食等を繰り返すことによりインスリンを大量分泌させられる膵臓の機能の低下が主な原因。
一般的に野生生物にとっては飽食よりも飢餓が生存上の大きな問題であり、そのため血糖は上がりすぎることよりも、下がりすぎること(低血糖)を回避することが重要だからである。従って血糖を上昇させるためのホルモンには、グルカゴン、糖質コルチコイド、アドレナリン、成長ホルモン、等複数存在するのに対して、血糖を下げる方向に働くホルモンはインスリンのみである。
症状 糖尿病は、極度の高血糖 (約600mg/dl以上) にならない限り自覚症状は多飲・多尿程度である(ブドウ糖には利尿作用がある)。あるいは急性期(発症初期)の血糖高値のみでもこむらがえりなどの特異的な神経障害がおこることがある。慢性期になって、下記の合併症が発症したり進行すると、それに応じた症状が出現する。
分子中にアルデヒド基を持ち、蛋白質を構成する塩基性アミノ酸側鎖のアミノ基と高い反応性を持つブドウ糖の糖化ストレスにより血管系をはじめとした各器官に慢性的な障害をもたらす。このブドウ糖とタンパク質の反応はメイラード反応の前半部分に相当し、またアルデヒド基とアミノ残基の反応によるタンパク質の架橋反応である点でホルマリンによる生物組織の固定作用とも共通する要素を持つ。
糖尿病性昏睡
これは糖尿病の急性合併症であり、一時的に著しい高血糖になることによって昏睡状態となる。体調不良によって平常通りに服薬できなかった場合などに特に起こりやすく、機序によって分類される以下の二つが知られている。
糖尿病性ケトアシドーシス (DKA)
インスリンの絶対的不足に伴い細胞内の糖が欠乏し、あわてて脂肪酸からエネルギーを取り出そうとすると副産物として生じるケトンが全身性の代謝性ケトアシドーシスを引き起こして発症する。意識障害、低体温、腹痛などが症状。
高血糖性高浸透圧状態 (HHS、非ケトン性高浸透圧性昏睡(HONK))
高血糖性高浸透圧状態(こうけっとうせいこうしんとうあつじょうたい)は、高血糖に脱水が加わって起こる。意識障害が主症状。高齢者はそもそも脱水状態になりやすいのでこの病態にもなりやすい。
統計
高齢の2型糖尿病患者に多い。
上記二つの高血糖による意識障害のほか、糖尿病患者は治療薬の副作用によって低血糖による意識障害や乳酸アシドーシスを呈する場合もある。
慢性期合併症
糖尿病に特異的な症状として以下の3つが知られていて、「微小血管合併症」もしくは「三大合併症」といわれる。
糖尿病性神経障害
糖尿病性網膜症
糖尿病性腎症
また、下記の三つの合併症は「大血管合併症」といわれ、糖尿病の有名な合併症であるだけでなく、糖尿病がある場合のこれらの疾患は通常よりも重症で治療が効きづらいことがわかっている。
虚血性心疾患 (狭心症、心筋梗塞)
脳梗塞
閉塞性動脈硬化症
そのほか以下のような合併症があげられる。
近位筋萎縮
足趾壊疽
閉塞性動脈硬化症とは密接に関連しておこる合併症で、手足の末端への血管がほぼ完全に閉塞することによって栄養がゆきとどなくなり、さきっぽから手足の細胞が死んでいく。死んだ細胞は黒色となって乾いて見える。
糖尿病の足Diabetic foot
神経障害により足の感覚がなくなっているため、足をぶつけることによる痛みに気づかず、ダメージを受け続けて足に傷が出来る。しかし足の血管障害もあるため傷の部位へなかなか栄養が行かず、ちょっとした傷を治癒させることができずにどんどん大きくなってしまい潰瘍を形成してしまう。足趾壊疽とは成因が異なる。
糖尿病性リポイド類壊死

「糖尿病」という病名上、糖分の取りすぎが原因と思われがちであるが、食事に含まれる糖分はそれほど重要ではなく、暴飲暴食等を繰り返すことによりインスリンを大量分泌させられる膵臓の機能の低下が主な原因。
一般的に野生生物にとっては飽食よりも飢餓が生存上の大きな問題であり、そのため血糖は上がりすぎることよりも、下がりすぎること(低血糖)を回避することが重要だからである。従って血糖を上昇させるためのホルモンには、グルカゴン、糖質コルチコイド、アドレナリン、成長ホルモン、等複数存在するのに対して、血糖を下げる方向に働くホルモンはインスリンのみである。
症状 糖尿病は、極度の高血糖 (約600mg/dl以上) にならない限り自覚症状は多飲・多尿程度である(ブドウ糖には利尿作用がある)。あるいは急性期(発症初期)の血糖高値のみでもこむらがえりなどの特異的な神経障害がおこることがある。慢性期になって、下記の合併症が発症したり進行すると、それに応じた症状が出現する。
分子中にアルデヒド基を持ち、蛋白質を構成する塩基性アミノ酸側鎖のアミノ基と高い反応性を持つブドウ糖の糖化ストレスにより血管系をはじめとした各器官に慢性的な障害をもたらす。このブドウ糖とタンパク質の反応はメイラード反応の前半部分に相当し、またアルデヒド基とアミノ残基の反応によるタンパク質の架橋反応である点でホルマリンによる生物組織の固定作用とも共通する要素を持つ。
糖尿病性昏睡
これは糖尿病の急性合併症であり、一時的に著しい高血糖になることによって昏睡状態となる。体調不良によって平常通りに服薬できなかった場合などに特に起こりやすく、機序によって分類される以下の二つが知られている。
糖尿病性ケトアシドーシス (DKA)
インスリンの絶対的不足に伴い細胞内の糖が欠乏し、あわてて脂肪酸からエネルギーを取り出そうとすると副産物として生じるケトンが全身性の代謝性ケトアシドーシスを引き起こして発症する。意識障害、低体温、腹痛などが症状。
高血糖性高浸透圧状態 (HHS、非ケトン性高浸透圧性昏睡(HONK))
高血糖性高浸透圧状態(こうけっとうせいこうしんとうあつじょうたい)は、高血糖に脱水が加わって起こる。意識障害が主症状。高齢者はそもそも脱水状態になりやすいのでこの病態にもなりやすい。
統計
高齢の2型糖尿病患者に多い。
上記二つの高血糖による意識障害のほか、糖尿病患者は治療薬の副作用によって低血糖による意識障害や乳酸アシドーシスを呈する場合もある。
慢性期合併症
糖尿病に特異的な症状として以下の3つが知られていて、「微小血管合併症」もしくは「三大合併症」といわれる。
糖尿病性神経障害
糖尿病性網膜症
糖尿病性腎症
また、下記の三つの合併症は「大血管合併症」といわれ、糖尿病の有名な合併症であるだけでなく、糖尿病がある場合のこれらの疾患は通常よりも重症で治療が効きづらいことがわかっている。
虚血性心疾患 (狭心症、心筋梗塞)
脳梗塞
閉塞性動脈硬化症
そのほか以下のような合併症があげられる。
近位筋萎縮
足趾壊疽
閉塞性動脈硬化症とは密接に関連しておこる合併症で、手足の末端への血管がほぼ完全に閉塞することによって栄養がゆきとどなくなり、さきっぽから手足の細胞が死んでいく。死んだ細胞は黒色となって乾いて見える。
糖尿病の足Diabetic foot
神経障害により足の感覚がなくなっているため、足をぶつけることによる痛みに気づかず、ダメージを受け続けて足に傷が出来る。しかし足の血管障害もあるため傷の部位へなかなか栄養が行かず、ちょっとした傷を治癒させることができずにどんどん大きくなってしまい潰瘍を形成してしまう。足趾壊疽とは成因が異なる。
糖尿病性リポイド類壊死

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