ストアとエピクロス
ヘレニズム期の哲学においては幸福について考えが分かれる二つの学派があった。ストア派とエピクロス派である。ストア派は理性に従い欲望を制御することが幸福であるとし、エピクロス派は欲望を追求し快楽を得ることが幸福であるという。すなわち
禁欲主義
快楽主義
のふたつが古来より幸福論の類型としてあったということである。欲望をどのように扱うかは、幸福論の中心的な課題である。ただしこれら古代哲学における禁欲主義、快楽主義という語は現代の通俗的用法とは必ずしも合致しないことは注意すべきである。ストア派は理性に従い徳を高めることが幸福であるとする一種の理性信仰の立場である。健康、富、美しさ、名声などは幸福に関係なく、楽しさすら必要ない。病気、苦痛、醜さ、弱さ、貧乏、低い評価の中でも幸福でありうるという。エピクロス派は刹那的な快楽主義とは異なっており、適切な快楽が生の条件であるとするものである。
フランクル
ヴィクトール・フランクルは人間が実現できる価値を3つに分類している。
創造価値 善や美を作り出す。
体験価値 善や美を享受する。
態度価値 人間らしい尊厳ある態度をとる。
創造価値、体験価値の実現は一般的に言われる幸福な状態である。最後の態度価値は一般的には幸福と言い難い悲惨な状態のなかでも実現できる価値であり、「いわゆる幸福」だけが人間にとっての価値ではないことを意味している。
マズロー
アブラハム・マズローは人間の欲求は階層を成しており、低い段階の欲求が満たされるとより高い次元を求めるようになるという欲求5階層説を唱えた。彼の心理学は幸福に生きる人間のモデル化であった。
生理的欲求 呼吸、飢え、渇き、睡眠、排泄などの本能に基づいた欲求。
安全の欲求 安定した環境のなかで暮らしたいという欲求。
所属と愛情の欲求 他者と関わりながら生きたいという欲求。
自尊の欲求 人から価値を認めてもらいたいという欲求。
自己実現の欲求 己の可能性を実現しようという欲求。
新宮秀夫
新宮秀夫は幸福とは満足、安心、豊かさなど人の願うことの中そのものにあるのではなく、それを得ようとしたり持続させようとする緊張感の中に幸福があるとする。そして幸福についての考え方を、複雑性に応じて四つの段階に分類する。数字が上の階は下より高級ということではなく、下の階の考え方を前提とすることにより成り立っているということである。
第一のステージ 富、名声、恋、スポーツ、食事などを通じて快楽を得ることに幸福を感じる。
第二のステージ 獲得した快楽を永続させようとするいとなみの中に幸福がある。
第三のステージ 苦しみや悲しみを克服するいとなみの中に幸福がある。
第四のステージ 克服できない苦しみの中に、幸福がある。
中島義道
中島義道は幸福の条件として以下の4つを挙げる。ただし彼はアンチ幸福論の立場をとり、世の中は不幸だらけであることを直視しない幸福論が真実を見る眼を曇らせるという。幸福の条件に到達することは容易ではない。幸福は盲目、怠惰、狭量、傲慢であることによって成立すると彼は主張する。
自分の特定の欲望がかなえられていること。
その欲望が自分の一般的信念にかなっていること。
その欲望が世間から承認されていること。
その欲望の実現に関して、他人を不幸に陥れない(傷つけない、苦しめない)こと。

ヘレニズム期の哲学においては幸福について考えが分かれる二つの学派があった。ストア派とエピクロス派である。ストア派は理性に従い欲望を制御することが幸福であるとし、エピクロス派は欲望を追求し快楽を得ることが幸福であるという。すなわち
禁欲主義
快楽主義
のふたつが古来より幸福論の類型としてあったということである。欲望をどのように扱うかは、幸福論の中心的な課題である。ただしこれら古代哲学における禁欲主義、快楽主義という語は現代の通俗的用法とは必ずしも合致しないことは注意すべきである。ストア派は理性に従い徳を高めることが幸福であるとする一種の理性信仰の立場である。健康、富、美しさ、名声などは幸福に関係なく、楽しさすら必要ない。病気、苦痛、醜さ、弱さ、貧乏、低い評価の中でも幸福でありうるという。エピクロス派は刹那的な快楽主義とは異なっており、適切な快楽が生の条件であるとするものである。
フランクル
ヴィクトール・フランクルは人間が実現できる価値を3つに分類している。
創造価値 善や美を作り出す。
体験価値 善や美を享受する。
態度価値 人間らしい尊厳ある態度をとる。
創造価値、体験価値の実現は一般的に言われる幸福な状態である。最後の態度価値は一般的には幸福と言い難い悲惨な状態のなかでも実現できる価値であり、「いわゆる幸福」だけが人間にとっての価値ではないことを意味している。
マズロー
アブラハム・マズローは人間の欲求は階層を成しており、低い段階の欲求が満たされるとより高い次元を求めるようになるという欲求5階層説を唱えた。彼の心理学は幸福に生きる人間のモデル化であった。
生理的欲求 呼吸、飢え、渇き、睡眠、排泄などの本能に基づいた欲求。
安全の欲求 安定した環境のなかで暮らしたいという欲求。
所属と愛情の欲求 他者と関わりながら生きたいという欲求。
自尊の欲求 人から価値を認めてもらいたいという欲求。
自己実現の欲求 己の可能性を実現しようという欲求。
新宮秀夫
新宮秀夫は幸福とは満足、安心、豊かさなど人の願うことの中そのものにあるのではなく、それを得ようとしたり持続させようとする緊張感の中に幸福があるとする。そして幸福についての考え方を、複雑性に応じて四つの段階に分類する。数字が上の階は下より高級ということではなく、下の階の考え方を前提とすることにより成り立っているということである。
第一のステージ 富、名声、恋、スポーツ、食事などを通じて快楽を得ることに幸福を感じる。
第二のステージ 獲得した快楽を永続させようとするいとなみの中に幸福がある。
第三のステージ 苦しみや悲しみを克服するいとなみの中に幸福がある。
第四のステージ 克服できない苦しみの中に、幸福がある。
中島義道
中島義道は幸福の条件として以下の4つを挙げる。ただし彼はアンチ幸福論の立場をとり、世の中は不幸だらけであることを直視しない幸福論が真実を見る眼を曇らせるという。幸福の条件に到達することは容易ではない。幸福は盲目、怠惰、狭量、傲慢であることによって成立すると彼は主張する。
自分の特定の欲望がかなえられていること。
その欲望が自分の一般的信念にかなっていること。
その欲望が世間から承認されていること。
その欲望の実現に関して、他人を不幸に陥れない(傷つけない、苦しめない)こと。
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