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2024/04/19 22:45 |
ブラック・ジャックの逸話
医療漫画の元祖として有名な作品であるが、連載当初は「主人公の顔」と手術シーンにて「人間の血や内臓などのシーン(これがスプラッタと勘違いされたらしい)」が出てくる事から、怪奇漫画の扱いだった。このため少年チャンピオンコミックスでは中期~25巻は「●ヒューマンコミックス」で統一されているが、初期は「●恐怖コミックス」となっていた。

連載開始当時は、手塚に続く世代の漫画家たちが台頭し、さらに虫プロの倒産も重なったこととあいまって「手塚時代の終焉」がささやかれていた頃であった。『ブラック・ジャック』は当初は手塚作品群の締めくくりの意味を込めて(漫画家生活30周年記念でもあった)連載が始まり、そのため、手塚の過去の作品群の登場人物が随所に登場(スターシステム)している。

『鉄腕アトム』のアトム、『リボンの騎士』のサファイヤ、『ふしぎなメルモ』のメルモなど他の手塚漫画の主役も『ブラック・ジャック』では患者やゲストキャラクターとして登場した。また、ヒゲオヤジは列車のスリ、車掌、町医者、映画監督として登場した。手塚治虫自身もあるときはブラックジャックの友人である医者、また、あるときは本人そのままの漫画家として登場し、ときには「シメキリ、シメキリ」と叫ぶ「慢性シメキリ病(架空)」にかかって入院することもあり、少しもよくならないらしい。またよみうりテレビのアニメ版では『三つ目がとおる』の写楽や和登もレギュラー出演している。

連載当初は目に見える反応がなく、一時は、やはり手塚の人気はなくなったのだと言われた『ブラック・ジャック』だが、静かに人気を集め続け、たまたま休載したときには編集部に苦情が殺到した。手塚人気は衰えてなどいなかったのだ、と言われる逸話である。

本作では、「ブラックジャック」が『少年チャンピオン』に連載した当時の他の連載漫画のパロディが頻出する。

頬がふくれた顔を「がきデカ」と形容したり、ブラックジャックがこまわり君の帽子をかぶって「あふりか象はきらい」(元のギャグは「あふりか象が好き」)と言ったりする。本間血腫の患者は野球選手「山上投手」で、こまわり君そっくりだった。
ブラックジャックこと間黒男の母校である小学校には、それぞれ、こまわり君、水島新司、『マカロニほうれん荘』の膝方歳三とそっくりな恩師がいた。
「魔女裁判」でブラックジャックがゾロアスター教徒の母子と逢い、「黒ミサをやるって本当かい?」と訊いた直後、1コマだけ古賀新一の『エコエコアザラク』のような画風の絵が出てくる。当時の掲載誌の読者が「黒ミサ」という言葉で「黒井ミサ」を連想することを狙ったものであろう。
高校時代の黒男とゲラの会話の途中で、黒男が「笑っていいかい」と訊いたときのコマだけ、ゲラの顔がタモリの顔に変わり「笑っていいとも」と答えている。
『ジャングル大帝』のレオのような白い子供のライオンが動物園で注目を集め、結果、ストレスで病気になった話で、ブラックジャックはこのライオンに色素を注射し、普通の色のライオンにして野生に帰すのが最善だと判断。作中でその「着色」の結果を見た関係者はライオンに色がついているのを見て愕然とするが、そのときの台詞が「こ、このドス黒いアミはなんだ」、「印刷の間違いだ」、「私は秋田書店に抗議する」というもの。白黒漫画なので普通のライオンの色は薄黒く見えるスクリーントーンで表現されている。もし、アニメであれば「セル画の着色の間違い」となるところだが、実際にアニメ化されたときはこのような楽屋落ち的ギャグは反映されず、普通の台詞になっている。
ブラックジャックが恩師を手術する場面で、他の医者からその速さを賞賛されると、ブラックジャックは「残りのページ数が足りないから」と説明していた。
ピノコと同じような畸形嚢腫を再度扱った話では、ブラックジャックが「組み立てると人間ができる?」と言うと、依頼した医者が「うんにゃあ、それじゃチャンピオンの漫画だ」と突っ込みを入れていた。さらに、手術に立ち会った旧友に「すごい技術だ、どこで学んだんだ」と聞かれ「チャンピオンの漫画からさ」と返したこともある。

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2007/09/22 13:31 | アニメ

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